ドイツでしか食べられない美味10選
ドイツ名物と言えば、「ソーセージ」。ソーセージ以外の料理と言うとあまりイメージが湧かないという方も多いのではないでしょうか。
でも実はドイツは、中央ヨーロッパならではの滋味深いごちそうの宝庫。日本ではあまりなじみのない、現地でしか食べられない料理が目白押しです。
イタリアやスペイン、フランスと比べ寒冷で小麦の生育に適しているドイツでは、噛むほどに味わい深いパンや、長い冬の間も豊かな食生活を送るための肉の保存方法や調理法が発達。パンだけでも3200種類もあると言われており、どでも日本ではなかなかお目にかかれないものばかりです。
今回はソーセージだけではなく、ドイツの多様なパンや、さまざまなドイツ料理をご紹介します。
ドイツのパン
ドイツのパンといえば、ずっしり重みがあり、少し酸味があるライ麦パンが有名です。ライ麦にはミネラル分がたっぷり含まれ栄養価が高く、グルテンを含まないのでぎっしり目が詰まっていて、一切れでもしっかり食べ応えがあります。
サワードウという酵母を使って発酵させるので、ほんのり酸っぱい味になっています。
サワードウのパンは外側は香ばしく、中はもちもちです 出典:Unsplash
このパンにはバターを塗るだけでも十分おいしいのですが、ハムやチーズなどをのせて食べるのがドイツの普段の夕食(アーベントブロート)です。丸ごとのパンを買ってもさすがに食べ切れないので、ぜひドイツのパン屋さんでライ麦パンのサンドウィッチを試してみてください!
プレッツェル
日本で言うおにぎりのような存在がドイツのプレッツェルではないでしょうか。パン屋さんはもちろん、スーパーでも、キオスクでも、ビアガーデンでもコンサートやスポーツイベントの会場でも販売されていて、ドイツ人が小腹が空いた時に食べるのがプレッツェルです。
ドイツ語では「ブレッツェル」と言います 出典:Unsplash
ドイツのプレッツェルは大きくて、もっちりとした食感が特徴。表面についている荒く削られた岩塩がほどよい塩気を出しており、ビールとの相性も抜群です。
シュニッツェル
ここからはドイツの定番料理をご紹介します。まずはとんかつの原型とも言われているシュニッツェルです。薄く伸ばしたお肉に衣をつけてラードで揚げたもので、サクサクとした衣の食感が楽しい、ドイツを代表する料理です。
まずはその大きさにびっくり。ビアガーデンの定番料理でもあります 出典:Unsplash
使用するお肉は豚、または仔牛。手頃な価格で楽しめるのは豚肉ですが、仔牛の方が本流なのだとか。ウスターソースなどはなく、レモンを絞り、クランベリーソースを少しのせて。大きなお皿からはみ出るほどの迫力のサイズにびっくり!アツアツを召し上がれ。
アイスバイン
アイスバインとは、塩漬けにした豚肉(主にすね肉)の塊を数種類の野菜と一緒に煮込んだ料理です。名前に使用されている「アイス」の響きから冷たい料理を想像される方もいますが、温かい煮込み料理です。
こちらも見た目のインパクト抜群で、骨が突き出た大きなお肉の塊が一人前。塩気のきいた旨味たっぷりのお肉はビールとの相性抜群。ビアガーデンでの定番料理なので、みんなで分け合って食べてみてください。
ザワークラウト
ドイツ料理の定番の副菜がザワークラウト。ザワークラウトはキャベツを乳酸菌発酵させたもので、体に優しい発酵食品です。 冬の間、野菜が取れないドイツでは保存食は非常に重要でした。そのためたくさんの野菜のピクルスなどが作られたのですが、ザワークラウトもその一つと言われています。
そのまま食べてもよし、煮込んでもよし。少し酸味がきいていて、肉料理を引き立てる名わき役です。ドイツを旅行すれば、必ず出会うキャベツの漬物です。
シュパーゲル
春になるとドイツ人が何よりも楽しみにしているもの。それが白アスパラガス、シュパーゲルです。4月~6月限定、ドイツの春の味としてなくてはならない野菜です。
ジューシーで甘い白アスパラガスはハムとの相性抜群です 出典:Unsplash
定番の食べ方は、茹でた白アスパラガスに生ハムを添えたものです。ジューシーなアスパラガスの甘みとほんのりとした苦みを一番感じられる食べ方かもしれません。オランデーズソースをかけたり、スープに入れたり、シュニッツェルとセットで食べたり。きりっと冷やしたドイツ名産の白ワインにも最高に合う春の名物です。
マウルタッシェ
次にご紹介するのはマウルタッシェです。ドイツ南部シュヴァーベン地方の郷土料理ですが、今ではドイツ全土で愛される、ドイツ版水餃子といった一品です。
ひき肉とほうれん草、玉ねぎ、パン粉を練り合わせた具をパスタ生地で包んで茹でた料理で、イタリア料理のラビオリとも似ています。ラビオリは2cmから3cm程度と短くて小さいのですが、マウルタッシェの場合8cmから12cmと非常に大きいです。そのため、1人前のマウルタッシェは2つか4つ。一般的にはスープと一緒に食べますが、家庭では残ったマウルタッシェを翌日焼いて食べるのも楽しみのひとつです。
クネーデル
クネーデルとは、茹でたジャガイモやパンを潰してお団子を作り、それを茹でたものです。ジャガイモのクヌーデルはでんぷん質たっぷり、モチモチとした食感が癖になります。パンのクヌーデルは肉料理のソースをたっぷり吸いこんでくれる名わき役。
一般的には、肉料理の副菜として出てきますが、クヌーデルが主役になることも。きのこのクリームソースやセージバターなどを合わせれば、食感の楽しい腹持ちのよい一品です。
グラーシュ
ハンガリー発祥のグラーシュは、中央ヨーロッパ地域を代表する牛肉の煮込み料理。ハンガリー、ドイツ、スロヴァキア、ルーマニア、チェコ、ポーランドなどなど、ドイツより東のヨーロッパの国々にそれぞれのグラーシュがあります。ドイツではお肉屋さんで昼食を食べることができますが、お肉屋さんの定番のランチメニューのひとつです。
材料は牛肉とニンジン、玉ねぎ、トマトペースト、そして忘れてはならないのがパプリカパウダー。これをじっくりコトコト煮込んだ、ビーフシチューのような料理です。野菜のおかげでさっぱりとした味わいで、寒い日に体を芯から温めてくれます。
ヴァイスブルスト
ドイツ料理を語る上で、やはり外せないのは「ソーセージ」でしょう。まずはヴァイスブルストをご紹介します。ヴァイスブルストはドイツのビール祭「オクトーバーフェスト」で有名なミュンヘンのあるバイエルン州の伝統的なソーセージです。
白い色が特徴的で、肉は仔牛肉や豚肉のベーコン。10分ほど茹でればできあがり。ヴァイスブルストは皮は食べず、中身だけを食べます。バイエルン州ならではの甘いマスタードと白ビールを合わせて召し上がれ。
カリーブルスト
ベルリンの名物と言えば、カリーブルスト。カリーといってもソーセージがカレー味なのではなく、ソーセージにかけるケチャップにカレーパウダーが振ってあるので、カリーブルストと呼ばれています。
油で揚げ焼きにしたソーセージをぶつ切りにし、ケチャップとカレー粉をつけただけのシンプルな料理ですが、ベルリンのファストフードとして愛され続け、今もなお数多くのカリーヴルストスタンドがあります。 カリーブルストを食べるなら忘れてはならないのが、ポメス(ポテトフライ)。カリカリのポテトとジューシーなソーセージは背徳の味です。
ドイツのクリスマスマーケットではソーセージやシュニッツェル、マウルタッシェなどの定番料理が楽しめます 出典:Unsplash
ソーセージだけじゃない!ドイツ料理を食べに行こう
日本ではあまり食べる機会のないドイツ料理ですが、現地でしか味わえないというのは旅行の楽しみのひとつ。大皿にドーンとのった、スケールの大きな中央ヨーロッパ料理の滋味深い料理を味わってみてください!


