チェコの首都プラハは、石畳の道や歴史を感じる大広場、ゴシック様式の壮麗な教会が作り出す、おとぎ話のような雰囲気に包まれています。中世の姿をそのまま残したこの街は、ヨーロッパでも屈指の歩いて楽しめる街であり、9世紀に建てられたというプラハ城もじっくり見学することができます。千年以上変わらずに佇む旧市街では、現代の生活にも脈々と歴史が息づいています。
日本からプラハへは、直行便は運航していません。チューリッヒやフランクフルト、ミュンヘンなどのヨーロッパの都市や、ドバイやイスタンブールなどの中東の都市で最低でも一度乗り換える必要があります。プラハは近隣都市からの電車やバスの移動も便利。プラハへの電車やバスなどの交通機関情報とチケットもOmioで検索できます。
プラハの天文時計は世界最古 出展:Shutterstock
プラハの街を見下ろす高台にそびえ立つプラハ城が建てられたのはなんと9世紀。ギネス世界記録によると「世界最大の古城」とされています。この城はかつて神聖ローマ皇帝やボヘミアの王の居城であり、現在はチェコ共和国大統領の公邸として使用されています。
世界で最も美しい橋の一つとも言われるカレル橋は、1342年に完成して以来、地元の人々や観光客を魅了し続けています。ヴルタヴァ川(ドイツ語読みではモルダウ川)に架かるこの橋は、プラハの城地区と旧市街を結んでおり、橋の両側に見事に並ぶ30体の彫像も見ごたえがあります。バロック様式の彫像と橋のゴシック建築が織りなす壮大な景観は、訪れる人にとって最大の観光スポットと言ってもいいでしょう。
プラハ旧市街広場が観光の見どころだという観光客も多くいます。ここは、ストリートパフォーマーや伝統的なマーケット、歴史的な彫像が集まる活気あふれる場所です。周囲を囲む壮麗なゴシック建築がこの広場の魅力を一層引き立てられており、中でもティーン教会は必見です。
プラハの交通機関は、路面電車、地下鉄、バス、鉄道などが発達し、どこへ行くにも非常に便利なことで知られます。市内と郊外もつなぐこの交通システムは、17の運行会社が約2,000台の車両でサービスを提供しており、その中核を担うのが、150のバス路線、30の路面電車路線、3つの地下鉄路線です。
地下鉄は交通渋滞や天候の影響を受けないため、市内で最速の移動手段として重宝され、プラハの公共交通において欠かせない存在です。一方、バスは柔軟な移動が可能で、郊外の小さな町や村への移動にも適しています。プラハ公共交通会社は、約152kmにおよぶ路面電車路線と電車を運行しており、広範な交通網がプラハの公共交通の基盤となっています。
鉄道もまた重要な役割を果たしており、プラハを周辺都市や他のヨーロッパ諸国とつないでいます。プラハの主要駅である「プラハ本駅」は、この鉄道ネットワークの中心です。
プラハを存分に楽しむには、歩いて回るのが一番です。観光名所の多くが徒歩圏内に集まっているので、石畳の道や曲がりくねった小道を抜けて、隅々まで散策しましょう。まずはプラハの中心に位置する壮大なヴァーツラフ広場へ。そこから少し北西に歩くと、モーツァルトがデビュー公演を行ったことで知られる有名なドン・ジョヴァンニ劇場があります。そのままメラントリホヴァ通りを進むと、石畳の道が旧市街広場へと続き、そこには驚くほど美しい建築が広がります。広場近くのカフェ・モーツァルトの2階で休憩しながら、壮麗な時計塔や、ティーン教会の上に並ぶ踊る像を眺めるのもおすすめです。
その後はホソヴァ通りを抜けてカイロヴァ通りへ進み、地元の工芸品を扱うお店でお土産を探しましょう。ヴルタヴァ川を渡り、カレル橋を進んでいくと、プラハの街並みを一望できるプラハ城がそびえ立っています。その壮観な姿に心を奪われることでしょう。
プラハの街は見どころが満載で、地元ガイドが案内するツアーグループを見かけることも珍しくありません。こういったプラハ観光ツアーを予約するのも、この街を100%楽しむ方法のひとつでしょう。
プラハでの食事なら、日本ではまずお目にかかることのない伝統料理スヴィチコヴァーを試してみましょう。ローストビーフをピュレ状にした根菜ソースと合わせ、レモンのスライスに乗せたホイップクリームを添えて提供されるこの一皿は、プラハならではの味わいです。付け合わせのダンプリング(白い蒸しパン)がもちもちしていて、ソースとよく合います。デイヴィツェ地区にある人気パブ「U Topolů」では、この料理をはじめとするさまざまな家庭的チェコ料理を楽しむことができます。
チェコ料理のおすすめには他にもビーフタルタルがあります。生の牛ミンチ肉に生卵をのせ、好みのスパイスや調味料と混ぜ合わせ、ニンニクを効かせたトーストに塗って味わいます。プラハのレトナ地区にある個性的なレストラン「Fraktal」は、このタルタルが絶品です。
散策中に小腹が空いたら、街中の屋台で焼きソーセージを試してみてください。さらに軽めのものならフレビーチェクと呼ばれるオープンサンドもおすすめです。冷たいローストビーフやチーズサラダなど、さまざまなトッピングが楽しめます。
甘いものが好きなら、ブフティというプラムジャム入りの甘いイースト生地ロールも絶品です。温かいバニラソースとともに楽しむこのデザートは格別で、マサリク駅にあるカフェ「EMA」で特に評判の一品です。
チェコ共和国の首都プラハは、美しい歴史的な街で、世界中から訪れた観光客を魅了しています。壮麗な大聖堂や古代の城、そして中世の橋など、とにかく見どころが豊富です。プラハはいつ訪れても楽しめますが、季節によって特におすすめの時期があります。
プラハは大陸性気候に属し、極端な気温の変化が特徴です。四季がはっきりしており、それぞれにメリットとデメリットがあります。夏は非常に暑く、冬は厳しい寒さになるので、プラハを訪れるのに最適な時期は春または初秋と言えるでしょう。
最も快適な気温で楽しむなら、3月から5月の間が理想的です。3月はまだ肌寒い日もありますが、4月には温暖な気候が訪れ、心地よい春を感じることができます。花が咲き、新鮮な空気が流れ、日照時間も長くなる春は、屋外観光に最適です。さらに、春のプラハは観光客が少なく、混雑が緩和されているため、サービスや観光名所へのアクセスがよりスムーズです。
春にはさまざまな祭りも行われます。イースターのお祝いに加え、5月に開催されるカモロの祭典は見逃せないイベントです。ロマの人々が独自の文化や素晴らしい音楽で楽しませてくれることでしょう。